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スイスに戻り1週間。

ようやく時差ボケも落ち着いてきました。

今週のチューリッヒ地方は

晴れている日が多く、暑い日が続いています。


ここ数日は夕方から一気に暗くなり、

日本ではそう呼ばれているところの、

"ゲリラ豪雨" 状態の雷雨 Gewitter がやってきて、

ああ、今年も遂に、

夏が到来なのだなぁと感じる日々。


本日の1枚は、昨日またまた目にした、

カラフルなラッピング車輌(トラム)です。

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さて、昨日出かけたチューリッヒの町で、

ある光景を目にしました。

チューリッヒ中央駅(HB)の駅前にある

トラムの駅から、

目的地へ移動しようとトラム(路面電車)が

やってくるのを待っていた時、

ちょうどカラフルなトラムの写真を

撮影していた時の事です。

その身なり風貌や物腰から、

明らかに普通では無いと思われる

男性が近寄ってきました。

身辺に危害を加える人ではなく、

明らかに物乞いをするための人です。


自宅のあるチューリッヒ州の湖畔の町では、

このような人を目にする事はまず無いのですが、

チューリッヒ市内では、

ここ数年で目にする事が多くなって来ました。

特に大きめのトラムの駅である中央駅前の乗り場や、

GLOBUSの前、

Lowenplatz の前の乗り場でよく見かけます。


実はこの日は行きと帰り、同じ場所で、

全く別々の人に2回遭遇しました。

最初は、どうやらお酒に酔っているのか、

ドラッグで精神状態がもうろうとしているのか?

大声で叫び、怒鳴り、

トラムを待っている人達が

振り返るほど酩酊した状態でした。


帰りに遭遇した男性は、

風貌はほぼ同じですが、別人です。

この男性は、

券売機のお釣りの返却口をまずチェック。

券売機の下辺りも見ています。

お釣りの取り残しが無いか、

小銭が落ちていないかを探しているのです。

その後、タバコの吸い殻入れの中もチェック。

おそらく、

まだ吸えそうなタバコがあるかどうかを

探していたのだと思います。


その後、

トラムを待つ乗客一人一人を回り、

小銭を与えてくれないかを尋ね始めました。

別に体に危害を加える人達では無いので、

普通通りに毅然として、

「Nein 」と言えば、

(私の場合、外国人なのでよくワカラナイという印象を

あえて主張するため「No」と言います)

それ以上はしつこくつきまとわれる事はありません。


けれども、この日は疲れていて、

そんな事に自分のエネルギーを消費するのも億劫で、

さりげなく、

彼の進む方向とは反対方向に、

自分が歩いてずれました。

ここは外国です。

万一の場合も忘れてはならないので、

身の危険を避けるため、

彼の動作は一応、

少し離れてチェックしていました。


すると、尋ねられたほとんどの人たちが、

"Nein" と拒否していましたが、

すぐ近くにいた30代くらいの女性が、

財布を取り出し、小銭を渡しました。


それに味をしめた様子の男性は、

次に、少し離れた場所にいた、

おそらく70代くらい?の女性に

同じように尋ねました。

しかしその女性は、


「いったいアナタは何をやっているの。

働きなさい!!」


みたいな事を厳しい口調で言い、

彼を叱責しました。

もちろん金銭は渡しません。


この光景を目の前で目にして、

"与える優しさ" と、

"与えない優しさ" があるのだなぁと、

強く感じました。


「目の前に困っている人がいるから、

わずかでも助けたい。」


「堕落した生活を送っていないで、

しっかりと働いて、自分でお金を稼ぎなさい。」


どちらもそれぞれの考え方の違いですが、

年配の女性の方は、

自分の息子さんとほぼ同年代の男性の

そんな荒れた姿を見ての、

厳しく接した上での、優しさだったのかも。

または、ただ単に腹が立ったのかな!?


ちなみに、

この男性の境遇のような人達は、

スイス人である限り、

生まれたカントン(州)の出生登録をしている

自治体に行けば、

食べられなくて命を落とす事は決してなく、

必要最低限の食事や快適な寝場所を

確保してもらえるのだそうです。

従って、昼間、物乞いのような事をして

小銭を得ている人達は、

"食べる" ためではなく、

"お酒を買うため"、

"ドラッグを手に入れるため" に、

そのような事をしているので、

小銭であってもお金を与えてはいけない

という考えの人々も多いようです。


知人から聞いた話によると、

ある日電車の中で、

上記のような人に遭遇し、問われた際、

お金ではなく、パンを渡そうとしたら、

手を振り払われて受け取られなかった・・

という話を耳にした事もあります。

決して、お腹が空いているワケでは無いんだなぁ

と思ったそうです。


後から聞けば笑い話のようにも聞こえますが、

電車の中というのは逃げ場のないスペースで、

実際にその状況になったら、

さぞかし怖かったのではなかろうか?

と想像します。

もしも自分が一人で乗車していたとしたら、

どうしていたかな??


1フラン、2フランで済む事ならば・・

という気もしなくは無いのですが、

やはり目の前でお財布を開けて、

お金を手渡しするのは自分は怖いし、

外で遭遇した場合には、

自分は「No」と断っています。


実際に日々を過ごしていると、

とても平和なスイスでの生活ですが、

日常生活の中に、

こんな闇の部分が見え隠れするのもまた、

現実の、海外生活でもあります。


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